まるっとHiHi美少年！ (ページ11)

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「い、いっひぇい、いひゃいよ」

一『痛くしてるの』

「ひょ、ひょっと、ひゃめてってびゃ」

一『辞めたら引っ越しも辞めてくれる？』

「ひ、ひょれは…… 」

一『ごめん、冗談』

一世は寂しそうに笑って
私の頬からそっと手を離した

一『やっと、追いついたと思ったのに』

一世がそう呟くと
空っぽのこの部屋はその言葉に反応して
すこしだけ反響して聞こえた

「早く追いついてくれないと、いつか誰かに取られちゃうかもよ、私」

一『 …… 』

「え～、いいの？取られちゃっても」

一『 …でも、』

「でも？」

一『 Aちゃん、好きな人いるって…… 』

一世はいつもの猫背よりも丸まり、
小さくなった身体で
ポツリと悔しそうな声で問いかけてくるから
私は思わず、声を上げて笑う

一『笑い事じゃない！』

「アハハ！誰から聞いたのよ～！」

一『 …龍我』

「龍我ちゃんが？あ～！そんなことも言ったなあ～！」

一『 ……っ！ほら！いるんでしょ！！』

「一世のことだって言ったら？」

一世はビクッと体を震わせると、目を見開いて
なんだかよく分からない！という顔をしている
私はその顔も面白くて、また口を開けて笑う

一『待って、意味わかんない』

「だからさ～」

一『わかんない！え？！わかんないよ！？』

「私の方がわかんないから！！！アハハ！」

一『じ、じゃあ、Aちゃんはお、お、俺の事が、す、好き？』

「動揺しすぎ！昔からずっとだし！」

一『えええええええええええ？！』

可愛くて鈍感な幼馴染との恋は
まだ始まったばかりです。