15歳の約束。 Ren.N

One. ページ1

.




*








「廉、今日遊べる？」

「あー、うん。遊べる！」






家が隣で。

幼稚園が同じだった君。





"運命"

という言葉が、ﾋﾟｯﾀﾘだった。






「じゃあ、Aの家来てねー？」

「うん！ 帰ったらすぐ行くね!!」






幼稚園の頃は、

家が隣って事もあって、

ほぼ毎日遊んでた。




親同士も仲が良くて、

兄弟同士も、仲が良くて。





家族ぐるみの付き合いやった。






「Aっ、入るよー」

「うん、どーぞっ」






家族以上の仲で、

お互いの家に無言で出入りすることもあった。





本当に、いつも一緒。





それが当り前。






「廉、ｻｯｶｰしたい！」

「俺、ｻｯｶｰ嫌いって知ってるやろ？」




「でもでもっ！

　小学生になったら、ｻｯｶｰやるんやで？」


「俺はやらない!!」





活発で、ｻﾊﾞｻﾊﾞしていて。


それでも、女の子らしさがある。




そんな君は、

ｻｯｶｰが大好きだった。






今、ｻｯｶｰ部で活躍している俺。


此れも全て、君のおかげ。







「廉、私ね……

　引っ越す、の」


「――……嘘、や。

　嘘、つかんでええから！」




「嘘じゃない。

　本当なの、お父さんの転勤で」






5歳の時、

仲が良かった君は、

突然引っ越すことになった。





"サヨナラ"

と言って去った君。





――――15歳の誕生日、

また会おうよ！ あの場所で待ってるから！





5歳の俺達は、

指切りをした。







*




.

Two.→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す