7 -kazunari.n- ページ7
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びくびくしながら家までついてきた彼女。
靴を脱いだのを確認し電気をつけずフットライトを頼りにリビングに続く廊下を歩く。
ドアを開けるとカーテンを閉め忘れてた窓から夜景が見えた。
俺にはいつもとなんの変わりもない夜景・・・
だけど彼女にはやっぱり違うみたいで。
ドアを開けた瞬間、後ろにいた彼女が立ち止まったのがわかった。
夜景に魅入る彼女をおいてキッチンにむかい冷蔵庫から水の入ったペットボトルを取り出し喉を潤す。
リビングに視線を戻すと彼女が窓のすぐそばにたたずんでいた。
窓から漏れる光に映し出された彼女の横顔。
泣いてた。
ただ静かに。
でもそれがものすごく綺麗で・・・
けど泣かせるために俺は連れてきたんじゃない。
なんでかたまらなくなって彼女を後ろから抱きしめた。
「・・・・・」
「・・・・・」
「二宮さん・・・」
「・・・・・」
「ふふ・・・」
「・・・・・」
「ありがとう」
「・・・何もしてないでしょうよ」
「それでも・・・ありがとう」
身をよじって俺の方を向いた彼女はもう泣いてなかったけど、顔には涙の跡と望んでた笑顔があった。
俺との距離の近さに驚いたのか一瞬恥ずかしそうにうつむいたけど、すぐに視線とはにかんだような笑顔が戻ってそっと頬にキスされた。
「お礼・・・です」
「くくっ・・・普通さ、唇にすんじゃないの？(笑)」
「して・・・いいのか迷ったから・・・」
「・・・これからあなた抱くのに？」
勢いよく顔を上げた彼女の頬にそっと唇をよせ涙の跡に触れる。
「ねぇ・・・キス、しないの？」
「っ・・・していいの？」
「・・・あなたが誘ったんでしょうが」
そう言ってどちらともなく唇を重ね合わせた。
重ねた瞬間電気が走ったように唇がしびれ、それが合図だったかのように彼女の唇に吸い付き舌を這わせ絡ませる。
寝室に移動する間も離せなくて、何度も彼女の唇を塞いだ。
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作者名：にじます
| 作成日時：2014年5月22日 19時
