もう一度本気の恋を【nino】 (ページ6)

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6 -kazunari.n- ページ6

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「っ！？二宮さ、」

「行くよ」

ヒールだから降りれない、って騒ぐ彼女を無視して手をつないだまま滑り台を降りる。

そんな高さないんだからって思ったけど、さすがに最後つんのめりそうになってて急いで抱きとめた。

「お前、こけんならそんなの履くなや・・・」

「ひ、どい！さすがにヒールで滑り台降りるなんて思わないし！」

彼女の苦情を聞き流し、さっきよりも強く手を握って公園の入り口へと向かう。

「・・・二宮さん」

「・・・・・」

「二宮さん！」

「お前ね、おっきい声で名前呼ぶなっての」

「だって！」

「はぁ・・・何よ」

「どこ行くんですか？」

「ん？俺んち」

「え」

「・・・抱かせてくれんでしょ？」

「う、そっ」

「え、嘘なの？」

「え！？嘘じゃないけど、でもっ！」

「あなたさっきからどもり過ぎ。嘘じゃないなら問題ないでしょうよ。タクシー呼ぶからちょっと待ってて」

鞄から携帯を取り出し、登録してあったタクシー会社へ電話をかけた。

見せてやりたいって思ったんだわ。

俺んちから見える夜景。

毎日見てる俺からしたらなんとも思わない景色だけど、あんなちょっとしか見えない夜景で感動するあなたならきっとものすごく喜ぶんじゃないかって。

あんな寂しそうな笑顔じゃなくて・・・

心から笑った顔、見せてくれんじゃないかって。