もう一度本気の恋を【nino】 (ページ4)

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4 -kazunari.n- ページ4

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” 二宮さんがいいんです "

そう言い切った彼女になぜがドキっとした。

隣を見ると真剣な顔をした彼女と目が合いそらせなくなる。

いつもだったら適当に笑ってながせるのに何故か返す言葉が見つからなくて、そんな自分に戸惑い目を伏せた。

返事のない俺に拒絶と取ったのか席を立つ彼女。

「あの、・・・突然変なこと言ってすみませんでした。失礼します」

彼女がまた少し寂しそうに笑って俺のそばから離れていった。

俺がいいって言っときながら未練なんてないように。

取り出しそこねた携帯をそのまま鞄にしまい、酒のなくなったグラスを指で弄りながら彼女の後ろ姿を目で追いかける。

別の席で飲み直すのかな・・・なんて思ったら全然違くて、そのまま店の入り口へと向かいマスターに会釈し扉を開けて店の外へと出て行った。

彼女の姿が見えなくなった途端、胸にもやっとした気持ちが生まれる。

そんな気持ちをごまかそうともう一杯酒を頼もうとしてマスターの方へ視線を向けると、さっきのまとわりついてきた女と目が合い、計算してるであろう笑顔を返されて余計に胸のつっかえが重くなる。

注文を諦めグラスに視線を落とした。

今日はこのまま飲み続けてたってきっと気分は晴れない。

” 抱いてもらえませんか？ "

ふと彼女の声と寂しそうな笑顔が頭をかすめる。

抱かせてくれるっつーならそれが一番すっきり眠れる・・・

出ていった彼女をおいかけることに決め、俺をここに無理矢理連れてきた相葉さんに一声かける。

一緒に帰る！ってからむ酔っぱらいの相葉さんを後輩に押し付け店を出た。

店の通りには既に彼女の姿はなかった。

駅まで距離あるしもしかしたら途中でタクシーを拾った可能性もなくはないけど、まだ近くにいる気がして少し早足で駅方面へと向う。

駅に近づくにつれ少しずつ通行人が増えてきた。

さすがに駅まで行って人ごみの中彼女を捜す訳にいかなくて、一旦薄暗い路地へと入る。

歩いて駅にむかってるならもう彼女に追いついてもいいはず。

突き当たりにある大通りまで探して見つからなければ俺もタクシーで帰ろうと決め、キャップを深くかぶり直しまた歩き出した。