もう一度本気の恋を【nino】 (ページ12)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:658,408 hit

12 -kazunari.n-　ページ12

.

あの時以来の彼女の身体。

やっぱり触れただけで気持ちよくて全裸になった彼女の肌を撫でるように触る。

小さく身体を震わせた彼女の体温をもっと感じたくて抱きしめようとしたら、頭からシャワーをかけられ綺麗に泡を落とされた。

シャワーを止めた彼女とともに湯船へとつかる。

狭い湯船の中、彼女に寄りかかるように座り後ろから抱きしめられた。

お互い動かず、ただ髪の毛から落ちるしずくだけが水面に落ちて小さく水音を立てる。

ちゃぷっと音がしてお湯の中で彼女の手が俺の手にのびてそっと指をからめ持ち上げると、俺の手の甲にそっと唇を押し当てた。

肩、背中、首筋、耳とそれは続き、何度も優しく繰り返される。

なんだかくすぐったくて笑ったつもりだったけど、俺の口から漏れたのは笑い声じゃなく嗚咽だった。

彼女は気づいてないかのようにキスを繰り返す。

けど、俺を抱きしめるように回された腕に力が入った。

まるで泣く事を全てを受け入れてられてるかのようで、今までの我慢し蓄積されてきた思いが溢れ出てるかのように涙が止まらない。

そんな俺の弱さをすべて包み込むようにただ静かに抱きしめてくれていた。

ようやく気持ちが落ち着いてきた頃、彼女が立ち上がり湯船から出る。

泣いたせいかまぶたが重くて、ゆれる水面をぼーっと見ていたらそっと彼女が俺の髪に触れる。

「目、つむって？」

言われた通りに目を閉じると少し冷ためのシャワーが上から降ってきて熱くなった頭、目に気持ちがいい。

風邪ひいちゃうからとまた温かいシャワーを最後にかけられ湯船からあがった。

用意してあったふかふかのタオルで身体をふかれ着替えを渡された。

着替えてる最中いなくなってた彼女が戻ってきて今度は髪の毛を乾かされる。

また手をつないで寝室に移動しベッドの端にすわると、水の入ったペットボトルを渡された。

思った以上に喉が渇いてて一気に飲み干すと、後ろからくすくすと笑い声が聞こえる。

振り返ると腕を引っぱられて彼女の横に倒れ込んだ。