【HQ】ヒロインに守られる系モブインちゃん。【青葉城西】

守られる『twenty nine』 ページ39

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美玲兄さんがバレー部に入部してから三週間。
ある日、わたしは気づいた。




わたし…モブじゃなくね？
え、だよね。
だって冒頭でモブ山モブ美とか言ってたんだよわたし。モブモブしてたよ。


今のわたしモブじゃないよね、絶対。

脇役Aぐらいになっちゃってるよね。
えー…。


美玲兄さんが戻って多少明るくなったけどキャラ変わってるよね。敬語お淑やかは何処へ。



「A？ どうかしたのか？」
『あ、いや何でもございません。』

「(…ございません？)」


岩泉先輩に心配されちゃったよ。
いつの間にか名前呼びだったし。

嫌とかじゃなくて、むしろ恐れ多いです。


この三週間、他の部員様達とも仲良くなりマネージャーの仕事も手馴れてきた。


いつの間にか、当たり前になっている。
…モブごときなのにみんなと居たいって思い始めてる自分がいる。

…うー…。






「Aちゃんどうしたんだろ。」

「難しい顔してるよね。」
「うん。」

「そこのストーカー共、カメラを置きなさい。」

「しかも一眼レフ。」

「…A、もしかしてバレー部に居ていいのかな？ って悩んでるんじゃないかな。」


「はぁ？！ 居ていいに決まってますから！ むしろ居ないと部活辞めますから！」

「おれもどうやって癒し求めれば良いんすか！ てかこっちから誘いましたから！」

「必死だなおい。」
「でも二人の言う通りですよ。なんで今更…。」


「…おれの、せいだな。」



ぽつりと美玲が零した一言にバレー部は、聞き逃さなかった。

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