【HQ】ヒロインに守られる系モブインちゃん。【青葉城西】

守られる『twenty two』美玲編 ページ29

・しおりside



家に帰って、わたしはぽすっとベッドに倒れ込む。Aちゃんが…わたしのAちゃんが泣いてた……。

みれい、だっけ？
いつかぶっ殺す。決定だ。



…Aちゃん、大丈夫かなぁ。


頭の中をしめるのはAちゃんの心配ばかり。それぐらい、大切な親友なんだなぁ。

あぁあ…泣いてないかな？ 今、大丈夫かな？
今すぐ会いたいぃぃいぃ！！


でももう夜。徹兄は絶対に出してくれないし、母さんや父さんなんか軟禁してくるもんな。

うぅ…自分が情けない。

男だったら、良かったのに。
Aちゃんを、守られたのに。


こーゆ時塩キャラメル野郎や徹兄、岩ちゃん達が羨ましい。Aちゃんを守れるんだもん。わたしには守れないものを、守れるのだから。



悔しさと悲しさで涙が溢れそうになるのを必死に堪える。Aちゃん、会いたいよ。






「しおり。しおり。」



「…え、い、わ…ちゃん？」






気づくと、部屋には岩ちゃんが。
乙女の部屋に入るなんて、ぷんぷん！ なんていつも言うのに、今日は、何も言えない。

無言で腕を差し出し、


「こい。しーちゃん。」


ふわっと、笑った。

バカで世話焼きでお人好しでー…
誰よりも優しい、幼なじみ。



ぶわっと何かが、溢れて

岩ちゃんの胸に飛びこみ泣いた。
暖かな胸に。優しく、離さないようにと抱きしめてくれる腕に。


わんわん泣いた。みっともないけど、泣いた。泣き喚いた。岩ちゃんは何も言わないでただただ抱きしめてくれていた。









「…ありがとう、岩ちゃん。」
ふっ、と笑い彼は階段を下りていった。

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