検索窓
今日:21 hit、昨日:1 hit、合計:282,651 hit

23 ページ23

(矢巾side)


彼女を可愛いと思うようになったのは、いつからだろう。

好きだと気付いたのは、いつだっただろうか。



色白で、華奢で、はにかんだような笑顔が可愛くて……


彼女の好きなところを挙げたらきりがない。



そんな彼女____松浦Aが、今日はちょっとだけいつもと違うことくらい、すぐに分かった。


やばい、可愛い……。


「あれ、なんか変わった?」


なるべく動揺を悟られないように、さらっと訊く。自然に、いつも通り。


「そ、そう?」


ほんの少しだけ顔を赤らめた松浦は、恥ずかしそうに俯いた。

俺は話をまだ終わらせたくなくて、もっと話せるように、松浦と真っ正面で向き合うように座り直す。

その細い肩が、ぴくりと震えた。


……緊張、してんのかな。



もうちょっと距離、詰めたいな。








「そう。恥ずかしくて訊けないから矢巾くんに訊いてよ、って頼まれて」

「あぁ、そういうこと」


松浦と話している最中、急に花巻さんのことを訊かれ、なにかと思えばそんなこと。


正直、心底ほっとした。


なんだ。松浦は花巻さんのことが好きなのかと思ってた。

……もしかしたら、花巻さんが松浦に恋をしているのではないか、とも。


でも、考えてみれば、松浦は及川さんのファンだったはず。

そうだ、花巻さんのことを好きなはずがないのだ。


花巻さんが松浦の名前を訊いてきたのはちょっと怪しい気もするけど、それに答えるくらいはなんてことないよな。

それに、花巻さんには悪いけど、俺なりに牽制をしたつもりなので、必要以上に花巻さんが松浦に関わることはないだろうし。


俺は躊躇うことなく、花巻さんの名前を教えた。


「ありがとう、矢巾くん」

「……、おう」


嬉しそうな彼女の笑顔を前にして自然と頬が緩むのを隠しきれず、軽く唇を噛む。


その時、昨日の先輩たちの会話が脳裏をよぎった。

24→←22



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (195 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
574人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

殊梨(プロフ) - 冷凍庫さん» とっても嬉しいです、是非お願いしますm(._.)m (2019年10月3日 21時) (レス) id: a11fe8d0dd (このIDを非表示/違反報告)
冷凍庫 - イメ画を描いてもいいですか? (2019年10月2日 18時) (レス) id: 29ebb411a4 (このIDを非表示/違反報告)
殊梨(プロフ) - 黒伸☆〜(ゝ。∂)さん» 矢巾くんのポジション、どうするか凄く悩んだのでそう言っていただけてとても嬉しいです!ありがとうございます(_ _) (2019年8月29日 22時) (レス) id: 653275ba5c (このIDを非表示/違反報告)
黒伸☆〜(ゝ。∂)(プロフ) - コメント失礼します。主人公ちゃんとマッキーと矢巾んの三角関係が可愛くて大好きです!ああ!!3人とも幸せになれ!!と思いながら見てます!これからも頑張って下さい! (2019年8月29日 20時) (レス) id: d24404e68a (このIDを非表示/違反報告)
殊梨(プロフ) - 声優LOVEさん» コメントありがとうございます! わー嬉しいです(*/∀\*)頑張りますね〜! (2019年8月29日 19時) (レス) id: 653275ba5c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:殊梨 | 作成日時:2019年8月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。