ハーシェルの連星 (ページ7)

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そのまま、綾香と3人で買い物としてアクセサリーを物色する。

「……かっこいい、」

目についた男物のフープピアス。

「えー俺に？」

脇から海人くんが顔を出してきた。

「いや(笑)、」

"兄に"と口にしようか迷ったけれど、

その口を大きく開けた純粋な笑顔に、ついつい釣られるように笑ってしまう。

「違うに決まってるじゃん」

綾香が突っ込みを入れてくれて、

「そっかー」

とくしゃっとした顔で頭を抱える海人くん。

「…ッ」

突然ポケットで鳴り出した携帯。

表示された画面は【龍也】

「……電話出ても良い？」

二人に確認をしてから画面を拾うと、

『…もしもし』

ちょっと低めの、聞き慣れた声。

それだけでドキッとする。

単純なくらい、龍也にしかときめかない。

私の心にまるで本能のようなセンサーが存在するのだと、改めて思い知らされる。

「….部活終わったの？」

『終わったよ。そっちは？』

「…まだ、お買い物」

『迎えに行く？まだかかる？』

「…あ、聞いてみるね」

いったん龍也との電話から離れ、綾香と海人くんの所へと向かう。

「….なんか龍也が迎えに来てくれるみたいで、」

「えーAさん彼氏いるの？」

「Aのお兄ちゃんだよ。ね？」

「……」

「ならもう切り上げようか」

と明るく返してくれる綾香と、

「えー。俺もうちょっとAさんと買い物してたいなー」

なんてそのままのテンションで残念がってくれる海人くん。

「…どうしよ、迎え断った方いい？」

「え！いいの！？ならそうしなよ、」

パァッと明るくなる海人くん。

「でも…迎えに来てくれるのに待たせるのも…」

って私が悩んでいたら、

「平気！断っちゃいな、俺が送ってけばいいっしょ」

「……」

とりあえず龍也に相談しようとスマホを耳に当てたものの、通話は既に切れていた。

「繋がらなくなっちゃった？」

「……うん」

私があまりに暗い顔をしたからか、

「……そっか、じゃあ今日は早めに切り上げよう、俺が送ってってあげるから」

「……」

そのまま、方向の違う綾香とは別で、

ちょっと真面目なトーンに落ち着いた海人くんと一緒に帰宅することになった。