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そのまま、ファミレスで聞いた話の内容を龍也に告げると、



龍也は私を包んでいた腕の力を緩め、

正面からそっと頭を撫でるようにして、再び抱き寄せてくれた。









「俺はAのこと、そういう風に壊したりはしないから安心して」









「……ほんとに?」







「俺には理性があるから。しちゃいけない理由まで分かってるから」









そう言って龍也は、

生物の授業で習ったとされる、兄妹間の交配がもたらす、遺伝子の裂傷といった、難しい知識を私に教えてくれた。









「龍也頭良いんだね」





すっとぼけたリアクションをした私に、





「違うよ、そこだけちゃんと話聞いてたの(笑)

俺とAの大事なことだから」








「……かっこいい」






コテンともたれかかった私に、龍也は優しく頰を摘み、






「ますます俺に惚れた?」









ニッコリと、こないだ言いかけた話の続きを教えてくれた。







「兄妹間の恋愛が法律で禁止されてるもう一つの理由はね、遺伝子のこと以外に、

性秩序の乱れを防ぐためなんだ」







「……性、秩序?」






「だから俺はAのこと、そういう風に見ないようにって決めてたし、


俺はそのためなら一生、魔法使いだって良いと思ってる」





「魔法使いって……」




「あぁ俺の場合天使かな?」






自分で言っちゃう龍也が、憎めなくて、本当に愛おしくて仕方なかった。









そのまま、龍也は優しく私の肌に手を重ねてくれた。








「……Aのこと、魅力がないとは全く思わないよ。




でもね、

こうやって抱き締めて、キスして、

何でもない所で触れ合っているだけで、

十分Aの心に、届いてるでしょ?





……俺が世界で一番、Aのこと愛してるって」









「………龍也、」








「だからAも、たくさん応えて?


俺と同じ血が流れてるこの身体だけじゃなく、

心で、



俺のことを求めて、必要としてるって」









「…………、」









ギシッと、ベッドの上に組み敷かれた。




なぞるようなその視線に、今日も彩られる。








「………すぐ紅くなる。


……可愛い」








服の上から入り込む、龍也の愛情に今日も溺れる。







心ごと、吸い取られては、




夜空に浮かぶ恒星のよう、



真っ赤な星たちが胸に散らばる。









そのまま、眠りにつくまで愛し合った。

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はるか(プロフ) - 読ませていただきました。切なくて、どきどきして、胸がいっぱいになるお話でした!優しいし龍也おにいちゃんすごくすきです!素敵な作品をありがとうございましたっ (2019年7月28日 4時) (レス) id: 2fad28cd3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2018年9月14日 20時

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