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「……………口開けてみて」
色っぽく囁いたその声に、
唇に漏れた温かい吐息に、
下唇が軽く開き、
全て捧げる覚悟ができてしまった。
ちゅっと上唇を吸われると、濡れた感覚のまま、
唇以上に生温くて柔らかいソレが口内へゆるりと侵入した。
「…………ん、」
……絡みつかれては、溶けそう。
「…………」
その感覚に悶えながら、必死に鼻で息をした。
こんなキス、するんだって。
こんなにも頭が働かなくなって、
熱くなるだなんて知らなかったから。
溺れていく私をより沈めるように、
龍也はゆっくりと、その行為をひたすら続ける。
横にごろんと滑り落ちた。
その後でも変わらずに、横向きの位置から抱き締められた。
自然と腕枕の体勢が出来上がり、
そこでも甘く唇を求め合った。
ようやく離れた頃、
見つめられ、
「………………また明日しよ」
甘い極上な視線に、
そう簡単には頷けなかった。
「……龍也に大好きって言われなきゃ寝ない」
ワガママが浮かび上がった。
「んー……」
困ったように口を尖らせた龍也。
"好きじゃなかったらキスなんてしないよ"
そう言って断るのかなぁと思いきや、
照れた瞳でゆっくりと、
「A、大好きだよ」
私の目に言い聞かせてくれた。
「………俺のことは?」
「……大好き」
こんなにも幸せな夜が訪れるとは思っていなかった。
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はるか(プロフ) - 読ませていただきました。切なくて、どきどきして、胸がいっぱいになるお話でした!優しいし龍也おにいちゃんすごくすきです!素敵な作品をありがとうございましたっ (2019年7月28日 4時) (レス) id: 2fad28cd3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2018年9月14日 20時