ハーシェルの連星 (ページ14)

今日:10 hit、昨日:5 hit、合計:213,094 hit

14 ページ14

その後は何とかやり過ごし、普段通り下校の時間。

なんだかんだ龍也といるのが一番安心する自分。

どれだけ揶揄われても変わらない。

そのまま龍也の部屋で課題を開いた。

お互い制服を着たまま。

「お前が出て行かないから着替えらんない」

とか言われたっけ。

だけど、これってまるで家デート。

高校生の青春、そのものって感じだから、

「……世間のカップルはこういう感じなのかな」

「……そうじゃない？」

冷えたコーラを口にしてから龍也はゆっくりと呟いた。

夕日が眩しいからカーテンは閉めたまま、

ドアも落ち着かないから閉じた状態。

密室に二人きり、

昨日の記憶が早くも過ぎる。

"明日もしていい？"って聞かれて、"明日もして"って答えてしまった。

だって昨日の龍也はとにかく甘かったから。

"ほんとに、大好きだから"

あの時の感覚が、忘れられない……。

だけど今目の前にいる龍也は、

課題を前に眉間に皺を寄せ、

「……まじで分かんない」

私の事など気にも留めない。

～♪

「あ、また来た」

海人くんから寄せられる緑色の通知に、

「……友達？」

「……」

「……あぁ、昨日の男？」

いっそう低いヤンキーみたいな声が狭い室内に響いて。

「連絡先交換したんだ」

「……一応ね」

「……何の一応？」

下を向いたまま、顔を上げてくれないから余計に怖い。

「……龍也しか、好きじゃないよ」

隣へと移り、その膝へと手を乗せてみた。

「………」

龍也の右手にあったシャーペンが置かれ、ようやくその視線をゲットすることに成功したのに、

「……別に俺、嫉妬してないよ？」

「……え、」