第11話 揺れるは竹か ページ13
"ザーーーッ"
竹藪が一気に風に吹かれ
音を立てる
「また···一雨来る、か」
空は灰色の雲が一面を多い尽くしていた
そのまま歩いていると
見覚えのある地に辿り着く
ここか···
"サーーーー"
風が先程より優しく吹く
そして
「三、夜花···?」
竹藪から国広が現れた
「あぁ···国広」
私はただ柔らかく微笑んだ
彼の不安そうな顔を見るとよく分かる
···お母さん達から全て聞いたみたいね
「···私、戻らないよ
もう国広の元には戻らない
そして···風雪様の元にも
行かないよ」
「ッ!!」
国広は顔をしかめた
でも奥底の心情は図れない
「さようなら···『私の国広』」
私はそれだけ言って
走り去った
最後に見えた国広は動揺した目をしていた
『私の国広』この言葉の意味に
気づいたのだろう__
でも···どちらにせよ
もう心が揺れるには遅すぎた
私はあの山姥にこの身を捧げよう
愛した男の元へと行けぬなら
私は化け物に身を捧げた方がマシだ
ふっ···さぁさぁ行こう雨の中
かの遠き約束を守るが為に_____
第12話 あの少女は何処に(国広side)→←第10話 運命の人
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作者名:里樹 | 作成日時:2019年8月24日 1時