第10話 運命の人 ページ12
「方法は···」
彼が私の手を引っ張った
そして
"トンッ"
風雪様の胸の中に引き寄せた
「っ何するんですか!?」
思わず驚いて彼を叩き押す
「あ···」
勢いが良過ぎたのか彼はそのまま尻餅を着いた
「す、すみません!」
「いえ···」
彼はそう言って体勢を整える
「僕にも非がありますので···」
ほ···
私が安心していると彼はそっと微笑む
「···方法をまだ言ってませんでしたよね」
あっ
そして次に彼はとんでもない事を言った
「方法は····僕と結婚する事、ですよ」
「·····は?」
彼曰く私が風雪様と結婚すれば私は
風雪様の本丸がある世界に入る事になる
そうすると山姥はこの世に私がいないと認識し
私の事を忘れる
それが一番の安全策だそうだ
ちなみに両親はその方法を実行するかは
私次第と言っているらしい
『僕は、君の幼少期の写真を見てきました
···初恋、なんです
絶対に三夜花を生涯をかけて愛します
だから、しっかりと考えて下さい』
先程の告白を思い出す
彼の目は···本当に私の事を愛している目だった
でも···何で私の心は揺るがないのだろう?
恋····恋愛か
「っ!?」
頭の中に浮かぶのは···
『三夜花···』
不器用ながらも優しい笑顔を浮かべて
私の名前を呼ぶ·····国広
何で···今国広が頭の中に浮かんだの?
分からない
···もしかしてこれが恋?
ずっと兄だと思ってたのに
いや···駄目だ
どっちにせよ国広は···
「私の事、女として見てないもんね」
自分で言っといて悔しさと悲しさで涙が出そうになる
あんなに綺麗な国広に···私は釣り合わない
うん、決めた
私はある覚悟を決め
母と父の元へ向かった
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作者名:里樹 | 作成日時:2019年8月24日 1時