私何かとんでもない美人さんを拾いました

手紙の内容 ページ22

芙蓉さんへ

お久しぶりです
お元気にしていらっしゃいますか?
こっちは宗三さん、そして新しく出来た家族
娘共々、全員元気です

あれから私達は海辺にある旅館を
転々と住み込みで働き
今現在私達が継いだ海辺の田舎の
小さな旅館を経営しております

そこは知る人ぞ知る
温泉で有名な旅館で
ひっそりとしていますが
お客様はほとんど途絶えません

そしてこの間
これは元神様がいるおかげかなー?
なんて娘に話すと
な訳ないじゃないですか
バカなんですか?
貴女は
と、聞いていた宗三さんに皮肉られました

相変わらずです
宗三さんは

あ、何故私達がその旅館を継いだのか
まだ書いてませんでしたね

実はその旅館の女将さん
結構なお年なのですが
もうご家族は全員他界していらっしゃって
跡を継ぐ人がいらっしゃなかったんです

そして女将さんがその事にちょうど困っている時
私達は雇われたんです
最初は私達も他の旅館と同じ様に
その期間だけ働いた後は
また別な旅館へ行くつもりでした
けど私達の仕事ぶりを気に入った女将さんが
アンタ達さえ良ければこの旅館を継いでくれ
と、言って下さったのです

女将さんはとても良い人で
旅館のある町も海がどこよりも綺麗で
私達は女将さんのお誘いを
引き受ける事にしました

その後女将さん
いえ大女将は引退し
私達と一緒に暮らしながら
娘の面倒を見て下さっていています
すっかり娘はおばあちゃんと呼び
懐いています

そうそう
あれから宗三さんは血を飲んだ後
私と同じ
黒髪黒目になったんです
そしてそれを何ともまぁ
勿体無い事に
邪魔と言って切ってしまいました

まぁそれでも未だ
たまに女性と間違われるんですけど

宗三さんも私もどんどん人としての
時間を歩んでいます

おかげで宗三さんも美しいまま
老けてきました

でも宗三さんったら
私の方が美しいって言うんですよ!?
照れるったらありゃしない

まぁ、とにかく私達は全員幸せです!
どうかそちらも末長くお幸せでありますように

左文字小夜花より

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