第8話 宗三からの彼女(宗三side) ページ11
「あ、宗三さーん!」
あぁもう、またあの人はブンブン手を振って···
彼女は本丸を脱出した際一番初めに会い
今は一緒に暮らしている同居人
望月小夜花···お小夜と僕は呼んでいる
あの日、僕は···審神者部屋でお小夜を折られた
あ、彼女の事ではなく···弟の事
きっと僕はあの日、お小夜が折れた事を認めたく無いのでしょう
それで名前の似ている彼女をお小夜、と呼ぶのはズルいと
自分も認めているのに__
お小夜···いえ、小夜花さんはかなり肝の据わった女性です
何しろあの雪の日、誰がどうみてもおかしな僕を拾ったのだから
彼女は凛としているが
普段の所作はとても女性らしい
しかし、それを本人に言うと何故か僕の方が女性らしいと
僕が彼女に対し、皮肉を言う時以上に落ち込み、代わりに
夕食に小夜花の大好きなおかずを出して上げると、すごく喜ぶんです
···僕は、人ではありません
ですから、きっと彼女の側に居続ける事なんて不可能に近い
けど、あの大晦日···手を繋いだ時のあのぬくもり
ずっと優しく握り続けてくれた彼女
あぁ、もうこの心は止まらない
そう感じたズルい僕
彼女はこんな僕を知っても受け止めてくれるでしょうか?
あの凛とした雰囲気の貴女
優しく柔らかで明るい貴女
自然と人前で寝落ちてしまった貴女
ブンブンと手を振り、僕の名前を呼ぶ貴女
あぁ、なんて···
なんて·····
愛らしくいとおしいのでしょう__
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里樹 - 名無し様!ご感想ありがとうございます。そうですね、確かにこの話は今思えば大分新しい切り口ですねw (2019年8月24日 2時) (レス) id: 69b33ec2b6 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 新しい切り口のお話でとても好きです!読みやすく、場面が浮かんでくることに感動しました…! (2019年8月18日 20時) (レス) id: 7c9fe9a3cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:里樹 | 作成日時:2019年5月31日 0時