【d!】短編集 (ページ3)

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続ページ3

「そういえば、そんなこともあったね」
「せや、懐かしいなあ。この際やから白状するけど、あん時窓閉めるAの事を外から見つけてダッシュで図書館向かったんやで」
「えっ、そうなの？知らなかった。なんでまた……」
「やって休み時間は皆の目があるから何か話しかけにくいし、放課後になると気付いたらAおらんし。話しかけるチャンスや！思て」
「あの時本当びっくりしたんだよ。コネシマくんは私と住む世界が違う人だと思ってたから」

あれから私とコネシマくんはめでたくお付き合いを開始し、こうして毎日放課後には肩を並べて下校している。
当時の心境を告げるとなんやそれ、と可笑しそうに笑う。

「でも確かに仲良い奴らには、意外な組み合わせやなって言われるわ」
「私も。コネシマくんはもっと派手でこう…グラマラスな女性が好きって聞いたよ」
「は？ってジェスチャーせんでええから！！それ言ったん絶対大先生やろ、ケツしばくわ……」

胸の大きさを手で表していると慌てた様子で抑えられる。ワタワタしている姿に思わず笑うと、コネシマくんもふっと笑い、優しく私の頭に手を置く。コネシマくんのその大きな手はそのまま編まれた髪を滑り、結ばれていたヘアゴムを外す。コネシマくんはどうやらこの行為がお気に入りらしく、放課後にはいつもわたしの髪を解き、手櫛を入れて満足そうにしている。

「何も俺らを妨げるものなんてなかったのにな。ガバって口滑らせた時は死んだわコレって思ったけど、良かったわ」
「そうだね、コネシマくんのあの一言がなければ一生関わり合いなく学校生活終わってたかも。ありがとうね」
「おう、これからもよろしくな、A！大好きやで！」

そう言って笑うコネシマくんは、太陽を背負ってキラキラと輝いていた。