私は良心で行っただけ…【すとぷ】【青】

第28話 事故 ページ34

ころんside
A｢ころん、くん…？｣

最近生配信に出られてなかったからなーくんと話し合おうと思ってなーくんの家を訪ねたら、
Aちゃんが居た。

こ｢な、なんでAちゃんが…？｣
しかも泣いた後なのか、目が真っ赤に腫れている。
A｢ちょっと、なーくんに相談事を…｣

目を泳がせて僕と目を合わせてくれない。
まぁ、そうだよね。

あんなことがあった後だから…
A｢あ、こ、ころんくんがきたってことは用事があったからだよね？！私、そろそろ帰ろうかな…！｣

ニッコリと笑ってAちゃんは家から飛び出した。

な｢Aちゃん？！バッグ忘れてる！｣
こ｢ぼ、僕が渡しに行く！また明日来るね！｣


Aside

なーくんの家にころんくんが来た。
驚いて飛び出してしまった。

どうしよう。私、また泣きそうっ…！

こ｢Aちゃん！ちょっとまって！｣
ころんくんが来てる？

今はころんくんの声聞きたくない！
聞いてしまったらきっともう泣いて困らせてしまう…。

信号だ！もう少しで赤になる？
突っ走れば巻けるはず。
？トラックが信号無視？
急いでるのに！

トラックが突っ込んできてるのに人が！
一か八か！
A｢危ない！！｣

…ｶﾞｯｼｬｰﾝ

女の人の悲鳴、ざわめく交差点。
パトカーと救急車のサイレン、
大丈夫ですか？！と心配される声…

あれ？起き上がれない。

どこも痛くない、のに…？
心配の声は私に…？意識が薄れて、ボヤけて、何も見えない。

最後に目に飛び込んできたのは









……ころんくんと魅空さんの心配そうに私を見つめる顔だった…。






━━━━━━━━━━━
ころんside

ﾋﾟｯ…ﾋﾟｯ…ﾋﾟｯ…ﾋﾟｯ…

今、僕が居るのは病院だ。
Aちゃんが、トラックに跳ねられたんだ。

意識を失っていて、隣には魅空がいる。

み｢ごめんなさ…ぃ、ごめん、な、さ…い、ごめん…ね、私のせいでAちゃんが…っ。ごめんなさいっ。｣

泣きながら謝るばかりだ。
どうやらAちゃんが庇ったのは魅空だったみたい。

こ｢…なんであんな所にいたの。｣

ずっと謝る声を聞くのは胸が痛かった。
だから、僕は聞いた。

み｢買い物、してたの…。急ぎの買い物で、急いでたら、トラックがっ、まさか、飛び出して来る、と、は、思わなくて…。｣

嗚咽混じりのその声は前の脅していた時とは真逆で、まるで心細いようなそんな声だった。

魅空はずっと泣いて謝っている。ずっと。Aちゃんに向かって。

第29話 精神崩壊→←作者から

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す