Ce monde ページ38
.
「……だ、さん、松田さん、分かる?」
「…………はっ、」
段々とぼやけた景色から目の焦点があってきて。
俺をのぞき込む看護師さん。
「……っ、はぁっ、……ふっ、」
何これ。
……めちゃくちゃ苦しい。
「大丈夫ですよ、……直ぐに楽になりますからね」
なんて駆けつけてきた優しそうなお医者さんがそう言ったけれど、全然楽にならなくて。
あ、ココ、コネクトエトランジュで見た病院だ。
苦しい、息ができない。
…え。俺、死んじゃうのかな。
直ぐにソラノムコウへ戻ったら、海斗はどんな顔をするのかな。
ノエルは、チャカは、カイトは。
きっと、皆、喜んでくれる訳ない。
それと、何より。
「……し、…………ずっ、……っ!!!」
そうだ。
俺は、シメのしずさんを見つけるまで、絶対死ねないんだ。
だからどうにかしてよ、先生。
目の前のお医者さんに必死に訴えるようにして見ていたら、驚いたように目を丸くした先生の顔が見えた気がしたけれど、
やっぱり息苦しさには耐えられなくって、俺は意識を手放した。
167人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うらの(プロフ) - 初めまして。作品があまりに素敵で感動しました。随所に心がまっすぐなmtさん心がきれいなmcさんの気持ちが見れてとても心が暖かくなりました。素敵な作品をありがとうございました。 (9月22日 23時) (レス) @page50 id: 188a7a4fbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紗彩 | 作成日時:2022年1月21日 0時