検索窓
今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:29,490 hit

. ページ2

.







「…へ、海斗が、…死んだ、?」








18歳になった俺は、やっとお母さんから離れられて、春に大学の寮で生活ができるようになった。







もう、一生あの家に帰ることは無いだろう。







少しここから離れた寮に行く前に大荷物を持ったその足で、懐かしい施設へと向かっていた。







.











あの、海斗と施設から抜け出して夜空を見ながら約束した日から、1週間も経たない内に俺の施設暮らしは急に終わりを迎えた。










「げんたー?あんたのお母さんだよ?…覚えてないかぁ、」










突然施設にやって来た、ギャルみたいな、俺の母親と名乗る女の人。








「これから、一緒に暮らそう?」








そのお母さんの言葉に海斗との話が蘇って。









俺にも家族が居たという事実がただただ嬉しくて、施設の先生たちが顔を歪めていた事に気が付かない振りをして、俺はその言葉に頷いた。








それからは、地獄みたいな毎日だった。








お母さんの機嫌が悪い時は、怒鳴られて、蹴られて、殴られる。








機嫌がいい時は、家になんて帰ってこなかった。








「あんたのせいで人生狂ったんだからね!?」









殴られて意識が遠のく中で毎回のように漠然と“ソラノムコウ”について考えていた。









今、俺が、“ソラノムコウ”に行けたら、海斗に会えるのかな?









なんて今思えば馬鹿みたいだとは思うけど、当時は割と本気でそう思ってたんだ。

.→←Prolog



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
168人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うらの(プロフ) - 初めまして。作品があまりに素敵で感動しました。随所に心がまっすぐなmtさん心がきれいなmcさんの気持ちが見れてとても心が暖かくなりました。素敵な作品をありがとうございました。 (9月22日 23時) (レス) @page50 id: 188a7a4fbd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紗彩 | 作成日時:2022年1月21日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。