＿BETTER＊ARS＊N (ページ1)

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１．さいしょのはなし。ページ1

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彼との最初の記憶は

白いシーツのベッドの上で目が覚めたところだった。

腰の鈍い痛みとシーツの乱れ具合で、何があったのかくらい

覚めきらない頭でもよくわかることだった。

そんな中

どこからともなく、その相手らしき人がやってきて

「ごめんね、優しくできなかった」

そういってペットボトルをこちらに手渡し、私に詫びた。

…あぁ、そうだった

私、この人にハジメテをあげたんだった。

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自慢じゃないけど

昔から

「綺麗だね」

って言われてて、容姿には自信がある方だった。

かっこいい人や学校の王子様的存在の人から告られたりして

何人か、付き合った人もいた。

けれど

その中で、体の関係を持った人はひとりもいない。

なぜなら

単純に、「この人になら」って人がいなかったからだ。

いつか、きっと。

そんな風に勿体ぶっているうちに

２５歳を迎えて

未だに、経験がなかったのだ。

２５にもなって、未経験だなんて

年が年だし、いろいろ恥ずかしいなと思って

この人…櫻井サンに「抱いて」って頼んだんだった。

櫻井サンは２つ上の上司で、顔も人気もよかったし

…言っちゃあアレだけど、初めての相手にはもってこいの人かな

って思ってたから。

あと…

噂によると、妻子持ち。

その背徳感が、たまらなく私の好奇心を刺激した。

最近、奥さんとはご無沙汰って聞いて

持前の美貌と若さで呑ませたらチョロそうだな。

なんて

そんな、軽い考えで彼を誘ったところ

翔「ふぅん。

　ま、ワンナイトラブってのもアリじゃない？」

と

さらに軽い答えが返ってきた。

その時の、まるでいたずらっこのような笑みが

今でも鮮明に頭に残っている。

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…で、今に至るワケなんだけども。

どうやら私、彼に…櫻井さんに

恋をしてしまったようです。

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