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「おはようA」
「おー、おはよ! 仁」
俺の前の席に座っている男子が声をかけてきた。
幼稚園の頃からの大親友、有馬仁だ。誰にでも優しいし成績も学年首席だから同学年と後輩の女子に超モテモテ。生憎三年生に仁を上回るルックスと性格と才能がある人がいるため先輩方にはあまり告られていないが。
それでも、俺は知っている
「さて仁くん、今朝は一体何通のラブレターを受け取ったんだい? 五通か? 十通か? 取り敢えず爆ぜろ」
「凄く清々しい笑顔で何怖いこと言ってるの?」
「いいから質問に答えろよこのリア充予備軍めが!!」
「いや、ゼロだから! 僕だって毎日手紙貰うほど人気じゃないから!」
そう言いながら仁は困ったように笑った。
この際だからはっきり言おう。
「仁、俺は公共の面前でイチャイチャするリア充共が嫌いだ」
「うん、知ってる。この話何回目だろうね」
「別にイケメンが嫌いと言う訳でない。自分の顔面偏差値を嘆いて他者を妬んでいる訳でもない。リア充自体が嫌いと言う訳でもないんだ」
「それが言い訳に聞こえるのはきっと僕だけじゃない」
「何が言いたいかって言うと!」
俺がバンッと机を叩く。ビクッと一瞬肩を震わせた仁を他所に俺は静かにこう言った。
「俺もモテたい彼女が欲しい」
「朝っぱらから何で僕達こんな話してるの?」
「お前が昨日の放課後告白されてたのが悪い。そして丁重に断っていたのが悪い」
「あれ、人権って何だったっけ?」
仁がそう返した途端見ていた周りの奴等数名が吹く。それと同時に先生が扉を開けて教室に入ってきた。
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