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康「……見たくないものとか見られたくないものとか、たくさんあると思う。
だからAちゃんはその眼鏡にたくさん助けられたんやと思う。
それでもええけど、
ええんやけど、
……その役、俺にもやらせてや。
言いたいこととか言えないこととか、言いたくないこととかあっていい。
そのままのAちゃんでいい。
俺がAちゃんを守るし、助けるよ。
…………俺じゃダメ?」
どこか心を閉ざしてた壁が、
するすると、するすると、
溶けていく感じがした。
あぁ、私、きっとこの言葉が欲しかったんだ。
弱くても、
言いたいことが言えなくても、
素直じゃなくても、
そのままの私でいいんだ。
気づいたら涙がツーッと頬を伝う。
康「んえ、Aちゃん泣いてる!?
ごめんごめん、どうしよ、ビックリさせたよな、気持ち悪いよな、」
さっきの堂々とした姿から一転、アワアワと漫画のキャラクターのように慌てる姿がかわいくて思わず笑っちゃう。
「違うの、ごめん、
……康二くん、私を、見てくれてありがとう。
……私も、好き、です、」
康「え…………ほんま?ほんまにほんま?」
「ふふ笑……ほんまにほんま!
康二くんのことが、好きです。
私と、付き合ってください」
ホンマ?と照れて顔を覆う仕草は相変わらず乙女チックで、かわいい。愛おしい。
康「あかんよ、反則よそれは……
こちらこそ、よろしくお願いします、Aちゃん」
いつかの日みたいにギュッと握手をする。
この前の何十倍も照れくさくて、嬉しい。
手から伝わる温度は、
陽だまりのように温かくて、優しかった。
melt【橙】 fin.
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作成日時:2021年2月3日 23時