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あんなに楽しかったのに、
帰ってきたときの感想は、「やっちまった」以外の何物でもない。
なんであんな話しちゃったんだろう。
なんであんな顔させること言っちゃったんだろう。
優しい康二くんの事だろうし、気を使わせちゃうのはわかってたのに。
後悔の念がグルグルと頭を回る。
……またお店来てくれるかな。
こんな暗い話しちゃった後でも、また普通に話せるかな。
……でも何かが始まる前じゃなくてよかったかもしれない。
……私は多分康二くんの事がちょっと好きだ。
私には無いところをたくさん持っていて、
心の芯から温かくて、
優しい。
そんな康二くんに出会えてよかった。それだけでよかったんだよな、
世の中にはあんなに優しい人もいるんだ、
それを知れただけで充分。
って思おう。
思いたいな。
……思いたいのにな。
ポロポロと涙が出てくるのが自分でも分かる。
慌てて鏡で確かめると、私は確かに泣いている。
大人になってから、泣いたことなかったなぁ。
泣いてるのに頭はやけに冷静で、
でもどういう感情で泣いているのか、自分でもよく分からない。
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作成日時:2021年2月3日 23時