WHITE WORLD【Ryohei.A】2

58【お母さん……？】 ページ8

SideA


翔太「へぇ〜。そうなんだ。

お母さんは？」


A「え、あ、お母さんも仕事で……」


小学生の時、お母さんがいないってだけで

いじめられるようになった。


心のどこかでそれが引っかかってたんだろう。

咄嗟に仕事と嘘をついていた。


翔太「大変なんだなぁ。

ってやべ。もうこんな時間じゃん」


深澤「翔太明日朝から仕事だっけ？」


翔太「そうそう！

じゃあふっかありがとうまたね！

Aもまた明日ね」


A「あ、はい……」




深澤「とりあえず……家には帰れないんだよね？」


A「多分そうだと思います……」


深澤「じゃあ俺んち泊まろっか。

あ、ちゃんと親御さんには連絡してね」


そう言って深澤さんは「お風呂沸かそ〜」

なんて言いながらリビングから出て行った。







深澤「よし。えーっと、じゃあ

お腹空いたでしょ？簡単になんか作ってくるから

ちょっと待ってて」





深澤「はい！深澤特製チャーハン！！」


そう言って深澤さんはチャーハンを机の上に置いた。


深澤「ほらA食べよ！」


深澤さんは明るく言った。


深澤「いっただっきまーす！」


A「い、いただきます……」


いつもみたいにスプーンを握って食べる。


深澤「あっA！

スプーンの持ち方はそうじゃなくて

親指と人差し指と中指で持つんだよ」


え？


A「スプーンに持ち方ってあるんですか？」


深澤「もちろん。

ほらこうやってさ」


そう言って深澤さんは自分がしてる手を見せてきた。

私も同じように真似てみる。


深澤「そうそうそう。それで食べてみて？」

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