オトナになる前に2 平野紫耀

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一応風呂には入っていったものの
出てきてからも油断はできない。









男用しかないけど着替えを
風呂場に置いてリビングでテレビを見ていると、








「しょ〜っ」







リビングまでてくてくと歩いてくるAが

俺がいるソファに座ろうとしていた。









だけど









またフラついて体勢を崩しかけていた彼女を
今度は片手をひっぱりこっちへ寄せ付ける、









はずだったが、








ソファに浅座りしていたせいで

俺も一緒に体勢を崩し

ソファから落ちてしまった。








「いたっ」









向かい合い抱き寄せる形で床に落ちた2人。







尻餅をついたAは
痛そうに腰をさすっていて。









とはいえ座ってもフラフラしているから
一応背中に手を回してAを支えたのに、









はあ、、







用意したスウェットがダメだった。









俺でも少し大きいスウェットが
彼女に合う訳なんて無く




、まあいつものことなんだけど。









なおかつ酔っている彼女。






適当に着たのだろう。
ブカブカのスウェットはやけに前側に
ずり落ちていて







胸元の下着が少しだけ見えてしまっている。








こんなのダメに決まってんだろ。









『服くらいちゃんと着ろよ、、』







背中に回していた手で後ろに服を引っ張る
これだともう見えない、、けど









乾かしていないぼさぼさの濡れた髪と
ちょっと赤い頰。








なにもかも俺には無理だ。









『なんでこんな飲んだの』








意識しないように話を変える。






多分彼女をこのまま動かしても
またフラつくだろう








だからここでちょっと酔いを覚ましたい。








「だめ？」







やけに素直に聞いてくるのも
うるうるした目で見てくるのも









何もかも
可愛くて仕方ない。









コイツはただの悪魔だ。








『1人で帰ってこれるくらいまでにしないと
2人がいなかったら帰れていないじゃん。』








「だって」







『だって何？』








「ぜんぶぜんぶ、紫耀のせい だもん」

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