オトナになる前に2 平野紫耀

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『怒ってんだ？』









わかってるくせに

わざと的外れなことを言ってくる紫耀









「、、めちゃくちゃ」









いや 寝起きの顔があれに例えられるとか

さすがにそれは怒ってるもんね？









『ごめん、冗談』









まるで子供をあやすみたいに
私の髪をゆっくり撫でる彼









「バカにしないでよ」









ほんとに免疫ないんだからやめてよね









『いつまで照れてんの』









それはこうやって遊んでくる紫耀が
全部全部悪いんだから








「紫耀のバカ」









こんな時素直になれるような女の子だったら

きっと今頃紫耀といい関係だったかもしれないのに









私の頬に添えられた彼の手をとって







「ジンベイザメみたいの」








どこにあるかも知らないけど無理矢理引っ張って歩き出した









『何歳だよ』









後ろから引っ張られていた筈の彼は
気づけば隣にいて





またぎゅっと手を握り直してくれる









、、、悔しいけど 嬉しい







心の中ではもう素直になりきってるのに




どうして口に出せないかなあ







その理由もきっと頭では理解してる
出せないんじゃない






出したらこの関係は崩れちゃうからだ









でもほんとは









紫耀とのこの時間がすんごく幸せで



彼の１つ１つの仕草と言葉に

ずっと胸鳴らしてるんだよ









「帰りたくないな」







乗り込んだ車の中でついつい
口にしてしまった言葉








朝は眩しいくらいの天気だったのに
すっかり日も暮れてしまって






私と彼のデートもあとは帰るだけ









『まだ帰んないけど』








「え？だって」








もう鎌倉は堪能しまくったし
夜ご飯も食べたし他に行くところなんてない









『20分くらいしたら着く』

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