The door that you can go anywhere(＝どこで○ドア)を使う俺。異世界で生きる。 (ページ14)

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休憩という名のサボり② ページ14

(Sideクザン)

それから数分経って運ばれてきたそば定食を平らげた俺は、まだ腹に余裕があったので、食後にデザートを注文しようと思い、ベルを鳴らした。

ーーしかし、ベルを何回も鳴らしたが、親方は気づいてないようだった。

俺が、なんかあったのかと思っていると、突然、若い男が何かを叫ぶ声と扉が壊れて何かにあたる音がした。

まさか海賊でも乱入してきたのかと思って、慌てて見聞色を発動すると、どうやら厨房に入ってきた若い男が扉をぶっ壊し、ぶっ飛んだ扉がクリーンヒットした親方に怒鳴られているのが気配でわかった。

あー。こいつが、噂のサボリ魔でシスコンの兄ちゃんか。

それからしばらくして、でかい「イエッサっ！」という声が聞こえ、さっきの兄ちゃんが厨房から出て、客のテーブルの方に向かってきたので、俺はデザートを注文することを思い出し、慌ててベルを連打した。

すると、個室の襖が開けられて、黒いフワフワの帽子をかぶった、恐ろしく端正な顔をした黒髪の男が、その整った顔を歪めて入ってきた。

いや、こいつがシスコンとかさ、妹どんだけ可愛いのよ......。

俺がそんな事を思っていると、その兄ちゃんが「ベルを何度も鳴らすな」とふくれっ面で言ってきた。

「あらら...。兄ちゃん、悪かったな。注文いいか？」

すると、兄ちゃんはお化けでも見るかのような目でこちらを見たあと、ニカッと笑いながら俺のそばに寄ってきた。