テキーラ･サンライズ (ページ9)

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「おはよう～」

「あっ！おはようございます～」

普段と変わらぬデスクに腰をかけた。

私のデスクにはシルバーのプレートに黒字で

“インテリアデザイン部部長大倉A”

と刻まれている。

……いつの間に管理職になってたんだ、私。

って毎朝出社時に心の中で驚く始末。

部長なのに第一線で活躍し、残業アリなんて普通ありえない。でもこの会社では当たり前な話だ。

.

「部長」

「んー？」

「これ、今度の新規ファミリーマンションのモデルルームデザインです！

1度目を通して頂けますでしょうか？」

「分かりました。チェックするからまた呼ぶね？」

「はい、お願いします。」

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この会社はベンチャー企業で

私が創業時のメンバー、かつ

ここの社長と大学の同期であったこともあり、この役職をプレゼントしてもらった。

社長曰く

“大倉はデザイナーとしての天性の才能の持ち主や。管理職で一緒にこの会社を回そうや！”

と引き止めてもらったんだから私も少しは頑張らないとね。

どうせ私の帰宅を待ってる彼氏もいないし。

それに今どきの若者のクライアントはデザイン性に長けている部屋に需要がある。

だから、社長の村上くんもそこに目をつけたのだろう。

彼のお金に対する目利きこそ天性の才能だと私は思うけども。(笑)