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「ほらっ、入った入った♪」
「…ぉ、おじゃまします、」
「どうぞっ♪
ちょっと待っててな？バスタオル持ってくるから！」
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丸山さんの家はザ･大人の男性って感じの1室だった。
お洒落で、茶色の家具やカーテンなどで色彩も統一されていて…
でもこんな時でさえ
収納やらでデッドスペースが生まれてる…なんて直感的にわかる自分はきっと職業病なんだろう。
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「ん！これでええかなぁ？」
「ありがとうございます…」
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フローリングに水滴が落ちないよう丁寧に水気を取っていく。
丸山さんはその間洗面所とは別の扉の中に入っていった。
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「…僕のやから大きいかもしれへんけどシャワーで温まってから着て？？
…いや！！べ、別にいやらしい意味やないで？
ただ風邪ひいたらAさんの仕事に響いてしまうやんか？？」
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“大変やろ？そーなると！” と丸山さんは照れ隠ししてる。
その優しさでさえ恩返しすると忠義に遮られちゃうのかな？
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「……何あったか分からへんけど、
僕が相談に乗りますから、ゆっくり温まって？」
「……ありがとうございます、じゃあお言葉に甘えて…」
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ｶﾞﾁｬ
シャワーから出て恐らくリビングと思われる部屋の扉を開いた。
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「あ、さっぱりした？」
「はい、お陰さまで…ありがとうございます。」
「ええよええよ！」
「ほら、ホットミルク。牛乳嫌いやないやんな？」
「はい、」
「ココ、座って？」
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丸山さんに促されるままにソファへ浅く腰をかけた。
ホットミルクもほんのり甘くておいし…
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「で……今日は何があったん？？」
「……私、弟が居るんですけど…」
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さっきあった事、今日のことを全部話した。
弟が私を好きやったこと、
社長に管理職にならないかって誘われたこと…
さすがに取締役なんて言葉は出せなかったけど…
.
「…そっか。」
「…その、弟くんがAさんの恋を遮ってたんやね…」
「でも……その、弟が全部私の為やって…
そう言いながら笑った顔が怖くって…」
「RYOさんも、弟との共謀者なんかじゃないのかって…
疑ったらもう、逃げないとって…ｯ…」
「んー……少なくとも亮ちゃんはそんな人やないかなぁー。」
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作者名：しゃけ山 | 作成日時：2017年2月24日 15時
