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「この際言うけど、学生時代ねーちゃんに好意を抱いてたやつらは俺が排除してん。」
「あのこの前の丸山とかいう奴もそう。」
「ねーちゃんの前で鼻の下伸ばしてさ、
ふざけんなって話や。」
「せやからねーちゃんは大人しく俺と暮らしてればええの。」
「ほんまは仕事にすら行って欲しないぐらいなんやで？」ﾆﾔｯ
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不可思議な笑みを浮かべた弟を見て
この時初めて弟の 大倉忠義 が解らなくなった。
私は、忠義の監視下に居たってこと？
私が少しでも気になる男子が居ても私を避けたのは忠義の影響？
まともに恋愛経験が無いのは私のせいじゃない。
この弟の 重い愛 のせいだったんだ。
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「……いや、っ」
ﾀﾞｯ
「Aさんっ…！！！」
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忠義が怖い。
恋をできなかった自分が怖い。
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バーを飛び出してとりあえず走った。
走って、走って、また走って。
悪天候の土砂降りなんて気に留めなかった。
でもさすがに耐えられなくなったヒールが悲鳴をあげて折れた。
それと同時に足をくじき子供みたいに転倒した。
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…どうして忠義はあんなんになったんだろう。
私のせいなの？
忠義だってかなりモテていて彼女がいない時期なんてなかった。
だから、私を好きだなんて有り得ないはず。
そもそも私と忠義は血の繋がった姉弟なんだから。
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ｻﾞｰｯ
「……Aさん？」
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自分の頭上に容赦なく降り注いでいた雨が
傘に落ちる音に変わった。
それと同時に…
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「……！？
…ま、るやまさん…っ」
「どないしてん！！？ずぶ濡れですやんか！！」
「…私のせいでっ……ｸﾞｽｯ…」
「…とりあえず身体乾かさな、風邪ひきますよ？？」
「僕んちで良ければすぐ近くやから…身体拭きましょ？」
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濡れた私を優しく抱え上げてくれた丸山さん。
もう、意味がわかんないよ。
丸山さんにドキドキしている自分も、
忠義を悲しませたくないっていう自分も…
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作者名：しゃけ山 | 作成日時：2017年2月24日 15時
