テキーラ･サンライズ (ページ2)

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「残業は何をやられてたんですか？」

「マンションのモデルルームのデザインをね。」

「へぇ…また、Aさんのってことは高級マンションなんですよね？」

「ほんと、大変なんだよ？(笑)ファミリー向けの方が何かとやりやすいし…」

「俺もいつかAさんのデザイナーズマンションに住みたい…ぁ、…いらっしゃいませー」

ｶﾗﾝｺﾛﾝと店舗側の扉が開いてお客様が来たみたい。

“こんばんはぁ～”

関西系の緩い挨拶だ。

大阪…いや、京都かな？

マスターは一番奥席に座った新規さんの方の接客についたから

1人で雰囲気に身を任せながらまたグラスを傾ける。

すると隣から小さいながらも賑やかな声が聞こえる。

2人で楽しそうですね。

…どーせ、1人ですよ、私は。

また少量を口に含むためにグラスを傾ける。

.

「そちらのお姉さんも一緒にどうですか？」

「…えっ？」

「Aさんも一緒に飲みましょうよ」

「いや、私は…」

「じゃあ僕が隣にお邪魔しても？」

なんだ…！？

馴れ馴れしいなぁ、もう。

まぁ、マスターもついてくるだろうしいいか。

「はい、…まあ？いいですけど…」

「うれし～！おじゃましますねー」

…イタズラしてやろ。

「邪魔するなら帰ってや」

「あいよー……って、何やらすん！(笑)」

「Aさん、新喜劇っ…(笑)」

「マスターのせいだよ？(笑)」

「気に入ってくれたんですか？？」

「そりゃ、録画予約してみて見ればハマるよね」

「まんざら嫌いやなかったんですか」

「私、こう見えてもお笑いは好きだよ？」

.

ﾂﾝﾂﾝｯ

RYOさんと二人で盛り上がってると隣の“京都さん” ＿＿京都弁っぽいから京都さんって名前にしよう。＿＿が肩をつついてきた。

「へ？」

「はんにゃのめんっっ！！」

え…(笑)

こわ、(笑)

あごしゃくれてるっ(笑)

でもっ(笑)

やばい、笑いが止まらないっ(笑)

.

「ふふふっ(笑)」

「ウケてるやん、マル(笑)」

「いいけ？(笑)」

いいけ？って、完全に京都さんは京都人だ…

「Aさん笑わすんかなり大変やったんにマルなら1発かよっ！」

「まあなぁ？(笑)」

京都さんってまるって名前なんだ…