12月の初雪【月 島 蛍】

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目が覚めた。

手探りで携帯を探して時間を確認するとすでにお昼を過ぎていて、そういえばお腹が空いたなと考える。

目覚ましで起きる必要のない日って素晴らしい。

好きな時間に起きて、好きな時にダラダラして、好きな時間まで起きていられる。

しかもそれが約1ヶ月続くんだから怠け者になってしまうのも仕方がない。

まぁ私は元から怠け者なんですけどね。

月島くんは今頃部活だろうな、なんて思いつつ、二度寝できる幸せを噛み締めながらぬくぬくと暖かい布団の中でもう一度目を閉じた、その時。



「アンタそろそろ起きなさいよ」

「……はい」



突然現れたお母様に現実に戻され、布団に潜ったまま返事をする。

ですよね、いつまでも寝てんじゃねぇよって話ですよねわかってます、はい。

はぁ、起きたくない、起きよう、よし起きるぞ、よーし……



「うっ……寒い……」



厚い布団をはいで起き上がると部屋がかなり冷えていたことに気がつく。

雪でも降ったのかと思い窓の外を見たがそんなことはなく、少しひび割れたアスファルトがあるだけだった。

……さて、何をしようか。

今日から待ちに待った冬休み、宿題は最初の方だけ頑張るタイプ。

今日は暇、明日も暇、明後日も暇。

つまり宿題はいつでもできる。

まぁただ単に予定がないだけなんですけどね。

まぁいい、まずはお昼ご飯でも食べるとしよう。

そう思いリビングに行くと、パスタを茹でているお母様と目があった。



「たらことカルボナーラ、どっちがいい？」

「たらこの気分」

「じゃあカルボナーラで」



ねぇお母様。

その選択肢の意味とは。

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