妄想系ヤンデレ少女【田中龍之介】 (ページ9)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:16,827 hit

9 ページ9

腕に絡みついてきた彼女は上目遣いで俺を見上げる。

その可愛さのなんのその。

心の中でそう大暴れしながらも平常心を保つ。

「……つまり田中が言っていたのは夢じゃなかったと」

「えっ、田中さん私のこと話してくださったんですか！？」

「あぁ、なんか朝からずっと、可愛い子と出会ったって……」

「か、可愛い……！私が……！！！」

顎に手を当て呟くスガさんに反応した彼女は、もっと聞かせてというように身を乗り出す。

その様子を見た部員達はそれぞれで視線を合わせていた。

「そっか、田中さんが……ふふふ」

それに気づいてるのかいないのか、彼女はうっとりとした顔で頬を抑えている。

そして一瞬空を仰いだあと、腕に絡みついたまますり寄ってきた。

「ねぇ田中さん。やっぱり私たち運命なんですよ。だから来世まで一緒にいるべきだと思うんです……ね？」

「え」

「だから私とお付き合い……ううん、結婚しましょ！！」

「…………ケッコン？」

俺は今、彼女に何をされた。

告白？いや、プロポーズ？

女子から？

しかもこんな可愛い子に？？

「……田中、息してる？」

「して……ないんじゃないか」

「龍！！しっかりしろ！！！」

すぐそばで聞こえるはずの声が遠く感じる。

そう感じるほど、俺の思考は停止していた。