妄想系ヤンデレ少女【田中龍之介】 (ページ8)

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俺は未だ朝のことについて弄られていた。

ここで彼女が現れてくれたら確実な証拠になるんだが、そんな都合のいいことが起こるはずもなく。

「青城だろ？探すにも無理があるしな……」

「その子寝ぼけてたんじゃね？」

「スガさん酷いです」

顎に手を当て考える大地さんとは反対にスガさんは面白おかしくそう言ってきた。

どう見ても寝ぼけているようには見えなかったような……

でも王子様なんて言ってたしもしかしたら寝ぼけてたのかも……

あああ、わかんねぇ！！！！

無い頭を抱えながら校門を出た時だった。

「あっ……龍之介さーん！」

「ん？」

可愛らしい声に名前を呼ばれ即座に反応する。

キョロキョロと辺りを見渡せば電柱の影からその子は現れた。

「待ってました……一緒に帰りましょ？」

「……エッ」

俺の手を取り指を絡める彼女は、確かに朝に出会った子で。

朝に嗅いだ甘い香りも、俺を見上げるその目も見間違えるはずがなかった。

「はぁ、やっぱり格好いい……私の王子様……！」

「……王子様？コレが？」

「はい！とっても素敵なんです！朝に手を差し出されてしまって……」

月島のコレ発言に突っ込みたいところだが、今は違う。

なんせ夢だなんだと言われてきたことが彼女が現れたことによって証明されたから。