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敢えて返事をしないまま腕を引っ張れば、「わっ」とよろめきながらも抵抗せずについて来た。
俺より少し高い体温は、酒を飲んだからだろうか。
「ねー、家まで送ってくれるの?」
「じゃなきゃ何のために来たんだよ」
「二口の家じゃダメ?」
「……は?」
突然、何を言いだすかと思えば。
びっくりしすぎてちょっとでかい声出たし。
てか、は?
家って……いや、別に困りはしないけど、こっちにもいろいろと事情があるわけだ。
言えないけど。
「だって私の家ここから遠いし〜、二口の家の方が近いし」
「……酔ってんの?」
「酔ってる!だから泊めて」
おねが〜い、と甘えるように腕にくっつかれ、咄嗟に出しそうになった手を引っ込める。
落ち着け、ここはまだ外だ。
そして相手は酔っ払い。
つまり手を出したら俺の負け。
だから、つまり、ここで抱きしめたら俺の負け、そんなの絶対嫌だ。
「わ、わかった。わかったから離れろ」
「いいの?じゃあおんぶしておんぶ」
「いや意味わかんねぇよ。歩けてんだろーが」
……よし、ここでは耐えた。
あとは家に連れてって、さっさと寝かせてしまおう。
一連の流れを頭の中で想像し、おんぶをねだる彼女をスルーしながら足を進めたのだった。
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ビーーグル(プロフ) - ちかさん» ありがとうございます!素直じゃないのが二口くんだと思うんです!!これからも頑張ります〜! (2018年7月21日 23時) (レス) id: e26045f491 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - コメント失礼します。密かに楽しみに待ってました、、、一部始終ずっとニヤニヤしてました、最高でした、、これからもひっそり応援してます (2018年7月21日 10時) (レス) id: 8a629efe07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:Twitter:@chichichi1208
作成日時:2018年7月17日 15時