10 ページ10
スプーンを咥えたまま、ボゥッと二人を見ていたとき。
岩泉と目が合い、慌てて視線を下げる。
「……で、お前らどんな関係だ?」
「やだなぁ、岩ちゃんが思ってるような関係ではないよ」
「んなのわかってるっつーの」
抹茶パフェを食べながらそう言った及川くんを睨んだ岩泉は、既にアイスの無いメロンソーダを飲みながらチラリと私を見る。
それに対してまたも目を逸らした私は、生クリームをすくいながら口を開いた。
「えっと……写真部の部長からのお願いで、花嫁役やることになったんだ」
「俺はAちゃんの花婿役ってこと。ちなみに予定日は10日らしいよ」
「ふーん……」
「悔しがってももう遅いよ……イダッ!!」
「どこをどう見て悔しがってるって?あ?」
ダンッ!と足元で音がして、及川くんが片足を上げた。
岩泉が足踏んだんだな、なんて思いつつ、チョコレートがかかったバナナを食べる。
やっぱり幼なじみなだけあって仲良いなぁ……
「……お前、指細くね?」
「え」
……なんて、呑気に考えていた時。
何かが小指に巻きついた。
それは岩泉の小指…………ではなく、ストローが入っていた紙で、キュッと強めに結ばれ、思わず彼を見る。
「握ったら折れそう」
「……そ、うかな。普通でしょ。てか岩泉が太いんだよ」
「俺は普通だ」
「え、なんでそんな凄むの……」
嬉しさ半分、恥ずかしさ半分。
まるで二人きりの世界のようだけど、及川くんがいることを忘れてはいけない。
だけどそんな事は御構い無しに真っ赤になっていく頬。
それに気づかれないようにまた、下を向いたのだった。
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ビーーグル(プロフ) - ますみさん» ありがとうございます〜!かっこいい岩ちゃんになって良かったです!笑がんばりますね、ありがとうございます!! (2018年7月5日 0時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
ますみ(プロフ) - 読んでいてとてもドキドキしてこんなこと本当にあったらとっても幸せなんだろうなって思いました!とにかく岩ちゃんがカッコいい!これからも頑張ってください (2018年7月4日 7時) (レス) id: 1205cfebc8 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - 雨宮咲那さん» そしてお金持ちという謎の設定…笑読んでくれてありがとうございました! (2018年6月11日 15時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - らみねさん» ありがとうございます〜! (2018年6月11日 15時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮咲那(プロフ) - すごい岩泉君と及川の関係性を上手く使った写真部の部長さん凄いなって思いました笑すごい綺麗な作品でした! (2018年6月10日 17時) (レス) id: ef0ba5aad5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:Twitter:@chichichi1208
作成日時:2018年6月10日 3時