June bride.【岩 泉 一】

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___予鈴10分前。

教室に戻った私は、早足で席へと戻った。

そして大きくあくびをしている岩泉をジト目で見る。



「……あ？なんだよ」

「……うん。岩泉さぁ、及川くんに余計なこと言ってないよね？」

「余計なこと？」



私の視線に気づいた彼は、目をこすりながらこちらを向いた。

そして余計なこと？と首を傾げ何かを考えている。



「…………言ってないと思うけど」

「本当に？」

「なんだよ」

「私のお腹の音がうるさいとか滅茶苦茶食べるとか叩き起こしたらキレられたとか言ってない？」

「……言ってない」

「目をそらすな！！」



今あからさまに目を逸らされたんだけど！！

どうやらこれらの内容は岩泉にとって余計なことではなかったらしい。

全く、女子の気持ちを考えてほしいものだ。



「……それより、その写真なんだ？」

「こ、これ！？別に岩泉に関係ないやつ！」

「なんでだよ。見せろ」

「死んでも嫌！！」



その写真……もとい、岩泉の写真。

見せられるわけがない。


結局、話をすり替えられた私は怒るに怒れず、写真を隠すのに精一杯になるのだった。

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