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ジュースを持つ手の上から、治くんの手が触れる。
冷えた指先に彼の体温が伝わってきた。
「……で、Aは?」
「う、うち!?」
「俺のこと、好き?」
「エッ、えっ……と、」
両手で私の手を挟む彼はジッと私を見つめていて、その目は嫌に真剣で。
逸らしたら負けな気がするけど今凄く逸らしたい気分だ。
だって、そんなまっすぐな目で見られたら困るよ。
「うち、は……」
「……好きやないなら好きにさせる。欲しいもんは手に入れたい主義やから」
「エッ」
一瞬、彼と侑くんがダブった。
ほらやっぱり似とる、そりゃそうか、DNAは一緒やし、って今はそれどころじゃなくて、なんて返せばいいかわからへん……!!
「…待ッ、近い!」
「手ェ握っとるだけやし……近くはないと思うけど」
「その、えっと…」
逃げたい。
この雰囲気から、今すぐにでも逃げたい。
だけど彼はきっと逃がしてくれない。
私の返事が出るまでは。
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名無しさん - むっちゃキュンキュンしました! (2018年4月15日 14時) (レス) id: 70fbeed7ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:Twitter:@chichichi1208
作成日時:2018年4月15日 12時