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……来てよかったんだなって思った。
だって、その言葉に嘘は感じられなかったから。
“もしかしたら騙されてるかもしれない”
“もしかしたらからかわれてるかもしれない”
こんな考えはもうやめた。
「……うちも、来て良かったって思った」
「…おぅ。俺も待っててよかったって思っとる」
ふと微笑む顔はどこか幼い。
だけどあまり表情が変わらない彼を見てきたからだろう、その破壊力のすざましいことよ。
あれ、なんか変。
渡ってはいけない橋を渡ったような、そんな感覚に慌てて首を振る。
だって彼は友達だ。
ちょっと褒められたからって、待ってて良かったって言われたからって渡っていい橋ではない。
だけど……
「それに……俺のためにやってきてくれたんやろ?そう考えるとほんま嬉しいわ。よう似合っとる」
「……治くんって、天然タラシ?」
「は?タラシやないけど」
……誰だってこんな事言われたら揺らぐに決まってる。
まさか彼がここまでストレートに言葉を言う人だと思ってなかった。
その時ふと、彼の片割れが頭をよぎる。
……なんだ、よく似てるじゃないか。
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名無しさん - むっちゃキュンキュンしました! (2018年4月15日 14時) (レス) id: 70fbeed7ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:Twitter:@chichichi1208
作成日時:2018年4月15日 12時