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ジュースを持つ手に力が入る。

ベコッ、と音を立ててヘコんだ容器は冷たくて。



「……ずっと、悩んどった」

「なんで?」

「からかわれてんのかなって。行っても、おらんかなって」



でも、彼はいた。

何分、何十分、何時間、待っててくれたのかはわからない。

だけど帰らずに待っててくれた。


……自惚れる自分がバカに思える。



「A」

「…なに?」

「俺が、待っとるって言うた」

「……え?」

「せやから、俺が待っとるって言うた。Aに言われたわけやなくて、自分で」



…確かに 待ってる と言ったのは治くんの方だ。

だけどそれとからかうになんの関わりがあるのか、バカな私には見当がつかない。

それを知ってか知らずか、彼は話を続ける。



「せやから……別にAが悪いわけやないし、攻めてるつもりもない。それにからかうんやったら待っとるなんて言わんし」

「……うん」

「ただ、一言言うなら……来てくれて嬉しかった」



その言葉と同時に、優しく吹く風。

彼の綺麗な銀髪が、風で靡く。

街灯の一つもない暗闇に目が慣れたからだろうか。

ハッキリと目に映る彼はひどく真剣で、どこか緊張しているように見えた。

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作品ジャンル:アニメ
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名無しさん - むっちゃキュンキュンしました! (2018年4月15日 14時) (レス) id: 70fbeed7ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:Twitter:@chichichi1208  
作成日時:2018年4月15日 12時

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