弄られ系彼女【赤 葦 京 治】

その後 ページ23

___あれから数時間後。

明日の分の範囲を終わらせた俺たちは二人揃ってあくびをした。

糸が切れたようにグッタリとベッドで死んでいるAを横目にベッドの端に腰掛ける。



「……生きてる？」

「死んでる……」

「だろうね」

「まじスパルタ、あり得ない」

「優しくして欲しかった？」

「やめて気持ち悪い」



厳しくしたら怒るくせに、優しくしたら気持ち悪い、と。

なんて我儘な幼馴染だろうか。

小さくため息をつき、寝転んでいる幼馴染の髪を指で梳けばやめろと手を叩かれた。


……無防備っていうか、気が抜けてるっていうか、なんていうか。


異性の前でベッドに転がるのはつまりソウイウ事であって、手を出されても文句は言えないはず。

実際力の差なんて歴然だし、無理やりだって不可能じゃない。

だけどソレをしないのは、出来ないのは……


彼女が幼馴染という存在だから。


ただの友達だったら良かったのに。

手を出せないのは、小さい頃から隣いたせいだ。



「……ん、あれ？赤葦、爪欠けてない？」

「爪？」

「ほら。ここ」



俺の右手を持ち上げたA。

必然的に、指が絡む。


……あ、ダメだ

こいつ、危険→←鬼は外！

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