黒猫の侵食【黒 尾 鉄 朗】

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___放課後。

運良く体育館点検だったため、部活は休まずに済んだ。

夜久と海に どっか行こう と誘われたが約束があるため断った。

彼女のことは誰にも話していない。

言っても信じてもらえないだろうし、それに明日には……



「お待たせしました」

「…ん。じゃ、行くか」



駆け寄ってきた猫目の彼女は はい と頷く。

そういえば名前を聞いていないような……



「…あのさ、名前ってあんの？」

「はい。神様がつけてくださいました」

「ふーん……ちなみになんて名前？」

「Aです」

「A……Aか。わかった。俺は黒尾な」



彼女……Aのいう“神様”とは誰なのか。

そもそも人間に見える存在なのか。

はたまた“神様”という名のなにかなのか。

詳しいことはよくわからないけど、彼女を見ていると万能なような、そんな気がした。



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「どぉ？」

「とっても美味しいです。ヒトの味覚は不思議ですね」



まず始めに、ファミレスにて。

オムライスとパフェを食べる彼女は黙々とそれを食している。

ケチャップは酸っぱい、とか生クリームは甘い、とか食べるたびに感想を言うA。

食べ終えた頃には少しだけ、満足そうな顔をしていた。

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