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___それは月曜日のことだった。
教室にて手の甲の絆創膏を弄っていた時、ドカっと目の前の席に座ったのは夜久で、俺の手をマジマジと見ている。
「…なんだそのでけぇ絆創膏」
「ん?優しさでできた傷」
「なんだそれ」
「猫、助けたんだよ。トラックに轢かれそうになってたからさぁ」
「…助けるのはいいけど、なに、お前死にたいの?」
「や、なんか飛び出しちゃったんだよね」
呆れた顔をする夜久に苦笑いすれば、夜久は はぁ とため息をついた。
あの時は確かに夢中だった。
鞄放り投げてガードレール飛び越えて、猫を抱く。
その時の緊張感と擦りむいた時の痛みは今でも鮮明に覚えている。
「まぁいいじゃん、生きてるんだし」
「そういう問題じゃ…」
「黒尾!呼ばれてる!」
「ん?……今行く!」
突然、クラスメイトに呼ばれてドアの方を見る。
席を立ちそちらに向かえばクラスメイトはあの子、と教えてくれた。
見たことのない顔だ。
靴のラインを見る限り一年なんだろうけど……
「……あの、呼んだ?」
「はい。話したいことがあって」
「話したいこと?」
「…場所を、変えてもいいですか」
「あ、ハイ」
返事をすると同時に踵を返すその子は、真っ黒な髪の毛をしている。
それから彼女の目…瞳には既視感があった。
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ビーーグル(プロフ) - 燐さん» ありがとうございます!きっと心から願ったからですね! (2018年3月20日 0時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
燐 - 黒尾さん、カッコイイ!願いもちゃんと届いたみたいで良かったw (2018年3月19日 20時) (レス) id: 6aa42038d7 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - ミルクさん» 最後は黒尾の「お願い」も叶ったみたいなのでハッピーエンドですね! (2018年3月18日 16時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - RI-SAさん» ありがとうございます!黒尾なら少しの時間でも感情移入しちゃいそうだな〜って思いながら書いてました…笑 (2018年3月18日 16時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - サブジェクトさん» ありがとうございます!黒猫と黒尾のお話でした( ¯ω¯ ) (2018年3月18日 16時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:Twitter:@chichichi1208
作成日時:2018年3月16日 23時