色気のナイ誘い文句【角 名 倫 太 郎】

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…授業中、器用にペンを回すAを横目で見る。

タイミングよくこちらを向いた彼女は あ、 と言う顔をした。

そしてノートを破り文字を書いていく。

ポイと雑に投げられたその中身はきっとプラネタリウムのことだろう。



“時間どうする？”

“部活あるから午前はむり。午後からならいける”

“何時に終わるん？”

“１時”

“なら１時半に駅集合！チケットあるから財布は要らんで！”

“りょーかい”



書いては投げてを繰り返すこと数回、ようやく決まった内容を頭に入れる。

話せばすぐに終わるのになぜ手紙でやり取りしたのだろうか。

…後で聞いてみよう。



「角名、角名ッ」

「…ん？」

「楽しみやな」



小声でそう言ったAは心底楽しそうな笑みを浮かべる。

…そこは手紙じゃねぇのかよ。

そうだな、と適当に返事を返そうとした時



「佐藤」

「ハイ」

「問一の答えは？」

「……アイムソーリー」



…アホ。

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