お年頃。4 ページ4
薄茶色の瞳を見つめたまま、俺も彼女もなにも言わない。
ただ見つめあっているだけの中ふとある事が頭に浮かんだ。
「……あのさ、そんな死にたいなら俺が*してあげよっか?」
「……は?」
「遠慮なんてしなくていいぜ。君に罪は無いし」
「なんで、貴方なんかに…」
バツが悪そうに目をそらす彼女。
同時に風が吹いてパツンと切られた前髪が揺れる。
その黒い髪に、指先で触れた。
ビクッと肩を震わせ少しだけ距離を取られるも、逃げはしない。
「……俺のために頑張って生きてよ」
「…意味わかんないんですけど。そもそも貴方に殺されるくらいなら自分で死にます」
「それはダメ。だって俺、君に興味湧いちゃったからさ」
「……本当に変な人ですね、貴方」
呆れたような、馬鹿にしたようなその言葉には何も言い返せなかった。
実際俺も変だと思う。
死ぬなと言うくせに*してやろうか、なんてわけのわからないことを言って、挙げ句の果てに興味が湧いたと感じてしまうこの自分が。
でもさ、なぜ死のうとしているのか知らないけどなんとなくそーゆう人って興味湧くだろ?
ところどころ空いたフェンスの穴を見つめたまま彼女に問う。
なぜ死のうとするかを。
「……ちなみにさー、なんで死にたいの?」
「…それは、」
「失恋?友達関係?それとも家族?部活仲間?」
「……全部、違う」
彼女が首を振ると同時にチャイムが鳴る。
授業始まりの合図だったけど俺たちは立ち上がらずにそのまま座り続けた。
むしろ都合がいい、誰かが来る確率が大幅に減ったから。
……にしても、失恋でも友達でも、家族でも無い、どれも当てはまらないのに投身しようとした理由はなんだったのか。
ますます彼女に、興味が湧いた。
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ユヒナRPG - お節介 (2018年1月24日 4時) (レス) id: 3e2f6da745 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - 燐さん» 黒尾は絶対みんなから「お節介」って言われる気が!するんです!!笑そして黒尾といえば研磨と夜久さんは付き物なんですよ…笑 (2018年1月23日 1時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
燐 - お話読ませてもらいました。成長する過程において死について考える時期ってあるような気がします。とはいえ、黒尾さんのナイスお節介&黒尾さんをここぞとばかりにいぢるSな夜久さんが見れて楽しかったです。 (2018年1月23日 0時) (レス) id: 6aa42038d7 (このIDを非表示/違反報告)
ビーーグル(プロフ) - ヘーゼルさん» ありがとうございます〜!きっと流れ的「ん?」ってなったところもあると思いますが嬉しいです!頑張りますね〜! (2018年1月20日 15時) (レス) id: 6c5d4b22b2 (このIDを非表示/違反報告)
ヘーゼル(プロフ) - こんにちは!すごく私的には好きなお話でした!また色々なお話楽しみにしてます^^頑張ってください! (2018年1月20日 13時) (レス) id: 929027b781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ビーーグル | 作者ホームページ:Twitter:@chichichi1208
作成日時:2018年1月19日 17時