＊されたいお年頃【黒 尾 鉄 朗】

お年頃。22 ページ22

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「…あの、」

「ん？」

「く……貴方は、私のこと＊したいと思ってます？」

「まさか。つか今黒尾って言いかけたろ」

「まさか」



…そう、昨日カッターを床へ叩きつけた後、考えたのだ。

“両想いになったら＊す”


これが計算だとしたら？


殺したくない、つまり私とは絶対に両思いにならない自信がある、っていう計算。

ただ単に昨日の私を止めるだけの、そんな軽い言葉だとしたら。

だけどもしソレがそうなら黒尾さんはわざわざ告白を断るだろうか。

そこが一番のわからないところだった。



「…なしたの、黙り込んで」

「…別に」

「口の横にケチャップついてるよ」

「放っといてください」



…かといって告白を断る理由はもう聞いた。

私を＊すため、でも実際は殺したくない。

この矛盾した彼の考えにはまた考えがあるのだろうか。



【殺したくない、つまり私とは絶対に両思いにならない自信がある、っていう計算】

【ただ単に昨日の私を止めるだけの、そんな軽い言葉だとしたら】



自分で考えといてアレだけど、



……なんか、やだ。

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