＊されたいお年頃【黒 尾 鉄 朗】

お年頃。15 ページ15

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「なんで来るんですか……」

「言ったじゃん、昼迎えに行くよーって」

「迷惑です」

「ごめん知ってる」



人三人分くらい距離を開けて座るAちゃんはパンが入った袋を膝の上に乗せた。

あの後なかなか動かない彼女を犬岡が引っ張って来たのだ。

その行動と大胆さにはある意味尊敬したな。

つーかなんでAちゃん嫌がらねぇんだよ、俺がやったら滅茶苦茶嫌がるくせに。

まぁそれから少し距離を開けて歩き、少し寒いが中庭へと来たのだった。



「なぁ、なんでそんな離れんの。もっとこっちおいでよ」

「嫌です」

「そんな端っこ行ったら椅子無くなっちゃうよ？」

「なら貴方が地面に座ればいいのでは？」

「お、おぅ…」



血も涙もないってこういうことを言うのだろうか。

普通に酷いこと言われたんですけど。

パンを食べ始めた彼女と同じく、弁当を食べる。



「…そういやさ、」



沈黙は辛いと思い何か話そう、そう思った時。



「あの！」



…ふと、声が聞こえた方を向く。

そこには折りたたまれた髪を持っている女の子がいた。

Aちゃんの友達？

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