好きな子にはイタズラを【国 見 英】

イタズラを。7 ページ7

…あのさ、今思ったんだ。

私財布持ってきてないじゃんって。

国見に引っ張られたまま来たから手ぶらだったのに買う気満々で来ちゃったよ…

でもここで引き返すのもなんか恥ずかしいし、でもお金無いし。

なんて考えていた時、国見と金田一くんがようやく来た。

手ぶらな私を見て あぁ と納得したような顔をした国見は財布を出しながら口を開く。



「A、お前財布持ってんの？」

「…無い」

「だろうな、買ってやる」



…え、コイツはなんの見返りを求めているの？？？

買ってやるなんて何か求められてるようにしか感じないんだけど？

確かにジュースは飲みたい、飲みたいけども後が怖い。



「え、いい。なんか怖いし明日槍降りそう」

「そうだな、槍降ったら刺さればいいのに」

「普通にひどい！！！」

「おい、喧嘩してないで早く買えよ」



例え話なのに普通に 刺さればいいのに って言われたんですけど、酷くね！？

金田一くんにはもはや呆れられてるし…

私の返事なんて無視してココアのボタンを押した国見は ん、 と差し出してきた。



「……ありがと……ん？」



横についてるストローを取ろうとした時、スカッと人差し指が空を切った。

紙パックの横を見れば入っているはずのストローが無い。



「あれ……ストローついてない」

「は？そんな事あんの？」

「あぁ、俺が貰った」

「なんでお前が貰うんだよ！！私どうやって飲めばいい！？」



不思議そうに覗いてきた金田一くんに謝れ！！

そして私にも謝れ畜生！！！

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